書籍紹介
石山恒貴研究室に関連する書籍をご紹介します。
※ 本項は本人からの同意のもと掲載しています。
目次
書籍
発売日:2023.5.17
出版社:光文社
著者:石山恒貴(いしやま のぶたか)
ページ数:248P
■書評
『定年前と定年後の働き方—サードエイジを生きる思考』を一読、この本を「必読書」と太鼓判を押したいと思います!
理由は3つ:
① 理論と実証研究をもとに、定年前後の(多くは正規雇用)ビジネスパーソン(特に男性)がどのような心理状態にあるかを「客観的」に理解できる情報を提供しています。この分野のことは、予断や思い込み、エイジズムを含むアンコンシャスバイアスが多いのですが、それらを排除した、立体的な姿がくっきりと見えてきます。この入り口は眼からウロコです。理論と実証研究は確実に価値を生む好例です。
「(シニアの働き方への)悲観的な捉え方は、幸福感と仕事への熱意の調査を見る限り、あてはまっていなかった。むしろシニアの働き方への悲観的な捉え方は、神話の類だったのかもしれない」p.48
② 「定年前後のプロセスを分断せず連続的にとらえることが望ましい」という具体的な指摘も納得です。そのために「たそがれ研修」でなく「第一線で活躍する能力」を作り込んでいくことの大切さを指摘しています。どういう定年後を生きるかは、各自が自由に判断し多様であってよいという大前提のもと、エイジズムに入り込まないための具体的な取組み方法が示されています。
「理論を知らなくても実践はできる。ただ、理論を知っていれば、さらに効果的に実践できる可能性がある。(中略)その際は定年前と定年後を連続的に捉えることが望ましい」p.78
③ 客観と主観のいいあんばいでのブレンド。石山さん自身が「当事者」であり、自身が研究対象でもあるという自覚のもと、客観と主観の往来をしています。まさにご自身が越境学習的に「定年前と定年後」というテーマを体験しアンラーニング&リラーニングを繰り返している姿勢が織り込まれています。石山さん自身の思いや願いが、行間にあらわれ、共感できます。
「筆者も今や、サードエイジの只中にある。研究課題に対して、それを自分と切り離した課題と考えることは、様々な困難がつきまとうだろう」p.227
本書に特に言及はないですが、リンダ・グラットンが提唱するポートフォリオワーカーを思い出しました。私自身、そのような働き方をしているので、1週間の中でも、何度も、小さな越境を繰り返し、アンラーニングとリラーニングをしている実感がありましたが、本書でその理由がよくわかりました。
ライフデザインを進める意欲と視点をたくさんくれる本です。
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梅本 龍夫(うめもと たつお)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授
iGRAM代表取締役 物語ナビゲーター
発売日:2023.1.13
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
著者:岸田泰則(きしだ やすのり)
ページ数:320P
■内容紹介(出版社より)
シニアが企業で働くなかで自らを活性化させる手段としてのジョブ・クラフティングに注目。
本書では、シニアに特有なジョブ・クラフティングはどのようなものなのか、シニアにおいてもジョブ・クラフティングが有効なものなのかということを調査分析する。シニアのジョブ・クラフティングの内実に迫ることで、シニアと職場をつなぐ実践的な示唆を提示。
ジョブ・クラフティングは、従業員が自ら主体的に仕事の範囲や仕事における人間関係を変化させることを意味する概念であり、ジョブ・クラフティングにより仕事をやりがいのあるものや楽しいものに変えることができる。
日本政府は、近年高齢者雇用を強力に促進させているため,日本でのシニア雇用は促進しているが、一方シニア雇用の促進が若年者雇用を阻害するというトレードオフの関係が懸念され,シニア年代の雇用の問題は他の世代の雇用にも影響を与える可能性がある。
「シニアと若年者の仕事の奪い合い」となっている現状や、シニアのモチベーションの低下やシニアの生産性の低さ,かつての部下が上司になる現象等でシニアと現役世代の双方がやりづらい状況など、さまざまな問題があるなかで、ジョブ・クラフティングを活用することが,シニアと若年者がともに協調し、将来への展望を描ける職場をつくるきっかけになることを願う。
発売日:2022.12.8
出版社:中央公論新社
著者:古屋星斗(ふるや しょうと)
ページ数:256P
■内容紹介(出版社より)
「働きやすい会社」を、なぜ若者は辞めてしまうのか?
新時代の、若者・仕事・日本社会を紐解くーー
「今の職場、“ゆるい”んです」「ここにいても、成長できるのか」。そんな不安をこぼす若者たちがいる。2010年代後半から進んだ職場運営法改革により、日本企業の労働環境は「働きやすい」ものへと変わりつつある。しかし一方で、若手社員の離職率はむしろ上がっており、当の若者たちからは、不安の声が聞かれるようになったーー。本書では、企業や日本社会が抱えるこの課題と解決策について、データと実例を示しながら解説する。
発売日:2022.09.23
出版社:中央経済社
著者:有沢正人(ありさわ まさと)、石山恒貴(いしやま のぶたか)
ページ数:232P
内容紹介:注目されるカゴメの人事改革=生き方改革がわかる待望の書!各施策の背景、ねらい、要点、改革のプロセス、CHROに求められる経験や能力、役割をわかりやすく解説。
■著者コメント
カゴメの最高人事責任者・有沢正人さんとの共著『カゴメの人事改革ー戦略人事とサステナブル人事による人的資本経営』9月23日発売、見本が届き、アマゾンでも予約開始です。
人的資本経営実現の道筋を具体的に示した内容です。
人的資本経営を成し遂げている稀有なCHROである有沢さんいうCHROがなぜ誕生したのか、その謎を解くために、カゴメの人事改革の詳細とともに、有沢さんの生い立ちからのキャリアも克明に記載。取材協力として、当ゼミの谷口ちささん、北川佳寿美さんが参画、また、本書の生みの親は、中央経済社の市田由紀子さん。
発売日:2022.03.01
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
ページ数:256P
内容紹介:組織を強くする冒険人材の育て方
■著者コメント
近年、越境学習への注目が集まっています。越境学習とは、個人にとって居心地のよい慣れた場所であるホームと、居心地が悪く慣れない場所だがその分刺激に満ちているアウェイとを往還する(行き来する)ことによる学びです。越境学習者は、アウェイで違和感を抱き、葛藤や無力感、もどかしさを味わいますが、それを乗り越えた結果、前提を疑い、不確実な状態に耐えられようになります。
つまり、越境学習とは冒険者を育てる学習のメカニズムなのです。しかし、越境学習のプロセス、全体像、効果は曖昧で、人によりその解釈も様々です。そこで、本書は、多くの越境学習者への詳細な調査に基づき、その全体像を解説し、企業と個人が越境学習を開始・実践する方法を詳細に提案します。
発売日:2020.10.30
出版社:技術情報協会
著者:岸田泰則(著), 他53名(著) , 技術情報協会 (著,編集)
※岸田は第1章を担当
ページ数:256P
内容紹介:日々の業務に追われ高まる疲労感と閉塞感をどう打ち破るか!
R&D担当者の能力を最大限に引き出す“意欲・やる気”の最新研究、具体的取組みノウハウを一挙公開!!
■目次
第1章 研究開発者を取り巻く環境変化とモチベーション低下の要因、その対策
第2章 研究開発者にとっての働きがいとモチベーション
第3章 研究開発者のモチベーションを向上させるリーダーシップとは
第4章 研究開発者のやる気が漲る研究環境の作り方、運用のポイント
第5章 研究者のやりがいを刺激する研究開発テーマの提案制度の作り方
第6章 研究開発テーマの進捗管理と目標設定、動機づけ
第7章 研究者のモチベーションを低下させないR&Dテーマ評価と中止の仕方
第8章 モチベーションを高める研究開発者の評価の仕組み、運用の仕方
第9章 研究開発者のやる気を高める褒賞制度とその運用法
第10章 人生100年時代の研究開発者のライフデザイン(生涯設計)の考え方
発売日:2020.03.31
出版社:千倉書房
ページ数:280P
内容紹介:ローカルアイドルやアニメツーリズムなど話題のつきない東京・多摩地域は、いかにユーザーに愛され、ユーザーに育て上げられたのか。
発売日:2019.11.15
出版社:三恵社
ページ数:186P
内容紹介:法政大学大学院政策創造研究科は、2008年に新設された社会人対象の独立大学院。修了生は、ここで学んだこと、研究したことを活かし、社会の第一線で活躍しています。 教授をはじめ、修了生の同窓会メンバーが政策創造の魅力の発信と、“社会人の学び直しの場”としての大学院の在り方を示す1冊です。
発売日:2019.11.1
ページ数:168P
内容紹介:This book reveals the mechanism through which adults learn through boundary-crossing experiences.
発売日:2019.10.29
出版社:静岡新聞社
ページ数:260P
内容紹介:「サードプレイス」とは家庭でも職場でもない居心地の良い第3の居場所のこと。首都圏から地方都市までの事例を取り上げる。地域のNPO、こども食堂、起業、副業、コミュニティカフェ、二地域居住、ワーケーション、マルシェ、廃校の活用、プロボノ、イノベーション教育、中山間地のアクティブラーニング、シニア雇用、生涯学習、故郷のコミュニティ、フューチャーセンターなど、地域とゆるくつながるヒントが満載。これまで地域とは全く縁のなかった人でも、自分のやりたいことで身近なところから気軽にゆるくつながる方法を紹介する。つながり方が変われば、あなたの地域と人生も変わる!
発売日:2018.12.20
出版社:ダイヤモンド社
ページ数:304P
内容紹介:「42.5歳の壁」の正体とは?出世するほど「居場所」がなくなる!?定年前後の「上昇気流」を味方にする…「これでよかった」と思えるこれからできる22のこと。ベテラン社員4700人を“科学”したあまりにリアルな処方箋!「キャリアの霧」がパッと晴れる!リフレクション・シート付。
発売日:2015.10.29
出版社:株式会社ヒューマンバリュー
著者:石山恒貴(いしやま のぶたか)
ページ数:72P
内容紹介:今後の働き方やキャリアをあらためて見つめ直したい若手のビジネスパーソン、あるいはキャリアコンサルタントやキャリアコンサルタントの資格を目指す方の、今後の人生や実践に役立てていただきたい一冊。
発売日:2013.12.05
著者:石山恒貴(いしやま のぶたか)
ページ数:172P
内容紹介:組織内専門人材とは、企業など組織に属し、帰属意識も有しながら、専門性を持って業務を行う知識労働者の一類型である。企業では一般的なホワイトカラーであって、業務の高度化により高い専門性が要求されるようになってきている。
知識基盤社会とグロバール競争が進むなかで、一般的ホワイトカラーであっても、個別企業内での専門性では不十分であり、組織内専門人材としての専門性構築とその活用が、働く個人にとっても、企業の人的資源管理としても重要になる。
本書では、組織内専門人材のキャリアと学習に加え、そういった人材を企業内で活用するタレントマネジメントの実践的な活用について、国内や外資系電機メーカーの人事を経験しバイオ・ラッドラボラトリーズ執行役員人事総務部長だった“越境専門人材”である筆者が、具体的に提示している。
発売日:2012.6.6
出版社:ヒューマンバリュー出版
著者:クリスティー・アトウッド (著), 石山恒貴 (翻訳)
ページ数:152P
内容紹介:サクセッション・プランニングとは、「適切な人々を、適切な場所へ、適切なタイミングで配置する」ために、組織のあらゆる階層で、将来のリーダーを特定し、リーダーの役割を果たすことができるよう、人事・人材育成の仕組みを構築し、維持するプロセスです。
発売日:2009.02.06
出版社:洋泉社
著者:石山恒貴(いしやま のぶたか)
ページ数:207P
内容紹介:部下を幸せにできる「サーバント・リーダーシップ」こそが、中間管理職には求められている!
日本的な従来型マネジメンは、通用しなくなりつつあるいま、新たな管理職受難の時代に解決のヒントを授ける1冊!
自らもプレイングマネージャーとして成果を出さなければいけない重圧、以心伝心型組織や「仲良しクラブ」的風土の崩壊、多様な構成員に配慮したマネジメント、技術革新の速さに伴うスキルの陳腐化、パワハラやセクハラ、メンタルヘルスへの気遣い……。
マネージャーは、これらに完全対応できる超人的存在を目指すべきなのか?
管理職は確かにいつの時代も多重債務的な困難を抱えてきた。
しかし近年、組織のフラット化が進み、自らもプレイングマネージャーとして目標数値を達成しなければならないため、繁忙感は増す一方である。
それでは、成果主義をご破算にし、旧きよき時代に回帰し、社内旅行や社内飲み会を復活させ、「会社は家族である」と再宣言すれば、現在の諸問題は解決するのか?
日本企業と外資系企業の現場で、日々発生する悩みと向かい合ってきた著者が、解決の方向性を指し示す!